本機関紙は、日本財団の補助金を受けて発行したものです。
オレンジベストは海難防止めべストワン
平成9年3月・第200号(1)
平成8年度 小型漁船用常時着用型安全衣 啓蒙普及
特集号
毎月1日は「海難防止の日」
羅臼海協のウニ部会安全衣着用率100%で操業!
平成七年羅臼の主要漁種である『すけそ刺網漁業』と『いか釣漁業』の漁期中、海中転落等の事故が三件発生し、乗組員三名が死亡及び行方不明となった。
行方不明となった乗組員の捜索のため、全船沖止めとし捜索にあたった。
当組合は、これを契機に,『羅臼海難防止対策委員会』を発足し、委員に各漁業部会の三役が就任し、救命衣・安全帽の着用等漁業者自らが中心となって関係機関とともに強力に推進してきた。
このような中で、うに漁業は厳冬期の二月〜三月が盛漁期であり、使用船0.5トンの磯舟で体を半分乗り出してのたも採り一人操業状況にあるため、いったん海難事故(転落事故)が起きると死亡・行方不明事故につながり、さらに、同業者・関係横関等に多大の迷惑を掛けることとなるため、うに漁業部会の三役が中心となり、操業毎に救命衣の着用をチェックする体制を整え着用運動を積極的に行ってきた。
こうした運動が定着し、、現在ではうに漁業者が互いに安全衣の着用について声をかけあい「救命衣着用100%」で操業している。
(羅臼漁業協同組合 佐々木漁業厚生課長)

安全衣は暮しを守る第一歩

北海道大学水産学部教授
啓蒙普及検討委員会委員長
天下井清氏
小型漁船用常時着用型安全衣の啓蒙普及講習会にたずさわって全道各地を訪問させて頂いて実感したことは、「軽くて着易い」、「作業のじゃまにならない」救命衣がどこの浜でも待望されていたこと、そして今回の常時着用型安全衣が十分満足できるものと受入れられたことです。講習会の効果はさざなみが次第次第に大きな波となって伝わるように、目に見えてきました。海難防止思想の高揚に伴い着用を義務化する漁協の増加、安全衣を着用して救助された事例の報告、残念ながら死亡は免れなかったが遺体は発見され行方不明にならなかった事例の報告などはその現われと言えます。
海中転落はもとより転覆、衝突などで海中に浮遊した場合の生存可能時間がおおよそ冬場で一時間半、春、秋が三時間、夏場で六時間から十二時間という北の海の厳しさを肝に命じて、油断と不運による海難被害を最小限にくい止め、生き抜く工夫の手始めが安全衣の着用です。安全衣を常時着用して日々働くなかで作業の仕方、暑さ寒さの詞節を一人一人が工夫して下さい。動きづらいからといって安全衣を脱ぐのではなく、その原因を見つけだして工夫をする。例えば上に着ている合羽や衣服の寸法は大丈夫か、安全衣を着用した姿が自分の体付きと考えて下さい。
暑いからといって安全衣を脱ぐのではかく、他の衣服で工夫して下さい。安全衣は身体の一部であると考えて常時着用して働く習慣を作って下さい。そうすることによって安全で業しい漁業の実現が可能となると管じています。安全衣着用は暮しを守る第一歩です。安全衣を常時着用して働く漁実習慣を子や孫達後継者への遺産として残して下さい。幸い今回の安全衣啓蒙普及の波紋は、市町村、漁協その他多くの関係者の皆様の力によって広がっています。一日も早く全道の漁業者の皆様が常時着用型安全衣を入手され愛用されることによって、是非今年を海難事故死ゼロの北海道元年にして頂きたいと思います。着てこそ役立つ安全衣
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